小さい頃はプチ本の虫でしたが、いわゆる日本の純文学に触れたのは随分遅かったと思います。その最初の出会いは「雪国」でした。私が中学生の頃、川端康成がノーベル文学賞を受賞したのがきっかけだったのではないかと思います。
日本人初のノーベル文学賞、相当話題になりましたし、私もすごいな、と興奮したのを覚えています。
今回、越後湯沢に宿泊しようと思ったのは、川端康成が「雪国」を執筆していたという高半旅館の「かすみの間」を見たかったからです。
宿泊の申し込みは食事なしのプランでしたが、それでも十分。迎えの車の中から湯沢の歴史や川端康成の話など聞けてワクワクどきどき。
ホテルの入り口入ると酒樽が!
入り口すぐ脇の部屋でリクエストがあれば夜は「雪国」の上映があるそうです。
連休後なので、館内は静かで人目をきにせずにのびのびできました。特に図書館のような大広間は圧巻。文学の香りが漂っていてただのきれいなホテルとは一味違う感じです。
かすみの間の前の二階ホール!まるで図書館!!
ゆっくり読書が楽しめます。本に囲まれて幸せ~♪
早速その日の夕方「かすみの間」を解説付きで案内してもらえることに。
部屋は丁寧に保存されてます。
かすみの間!ここで雪国が生まれたと思うと感慨深いです!
ホテルのスタッフの方が専属のガイドさんになってくださり、湯沢の歴史、高半の歴史から始まり、川端康成先生の滞在時の話、映画化されたときのロケの話、充実しすぎるくらい堪能しました。
上の方に見えるのが改築される前の木造時代の高半旅館。広大な敷地です。
「雪国」の映画のロケになった現場。岸恵子さん、池辺良さん等が出演していました。
特に駒子のモデルとなった実在の女性の話は興味深く、湯沢で結婚してそれなりに幸せな人生を終えたとかでなんかほっとしました。
駒子のモデルだった松栄さんが寄贈した着物と上掛け。
最初は自分がモデルになっているとは知らずに複雑な心境だったらしいですが、その後の彼女の人生で「雪国」で有名になったことはどんな影響を与えたのだろう、などと考えたりしました。
日本初のノーベル文学賞が新潟の雪深い地で生まれ、日本全国に知られるようになったこと、何だか嬉しく誇らしく感じ、もう一度「雪国」を再読したくなりました。
その他にも、由緒ある旅館らしく、有名な石川雲蝶の弟子の名工、熊谷(小林)源太郎作の屏風や
坂戸城の欄間
川端康成の資料、外国で出版された「雪国」の本など、貴重で興味深い資料がたくさんありました!
↑の写真がかすみの間から眺めた「今」の景色!
川端康成先生が見ていた景色には、駐車場などなかったでしょうが、向こうに見える山は変わらないとの説明。
没後50年ということで亡くなってからそんなに経ったのか、という気持ちとまだ50年なのか、という気持ちが半々です。
旅館の温泉もほぼほぼ独り占め!露天風呂も独り占め!文学と温泉に浸かった二日間、サイコーです!
映画の聖地めぐりなどが話題になる昨今、文学にちなんだ地やルーツめぐりをするのも楽しいのではないか、と思います。
*おまけ*
なんと、ホテルの一角で「温泉むすめ」なる存在を知りました。
全国にいるらしいです。そりゃあ、日本は温泉多いですものね~~
越後湯沢には「越後湯沢かすみ」ちゃん。これ町おこし!?温泉おこしのアイデアとして面白いな、と思いました!
是非宣伝しましょう💛
そして、こちらは温泉饅頭むすめさん(笑)